PCI時代のSCSI-HDD 32GBの壁 


* SCSI-HDDの起動時認識容量の限界

 もともとPC-98ではHDDフォーマットは乱立しており、HD容量の上限を系統的に見積もることは困難でした。しかしPCIの時代になるとSCSI-HDDのフォーマットは92フォーマットに統一され、55互換パラメータや独自パラメータはほとんど見なくなりました。これにより、PC-98フォーマットのHDDを接続した際の、HDD容量制限を見積もりやすくなりました。  SCSIにおける容量制限は、CHSパラメータの限界から来ているものと言えそうですから、HとSが固定の標準フォーマットなら、あとはシリンダ数16bit(65536)の制限だけになります。標準フォーマット(92フォーマット)であれば、容量壁はほぼ

* 8GB(8ヘッド32セクタ固定BIOSの場合)
または
* 32GB(8ヘッド128セクタ対応BIOSの場合)

にしか無いと考えられます。もちろん120GB壁もありますが、標準フォーマット自体が32GB制限を持っているのでここでは置いておきます。ほぼ唯一の例外はIFC-USPシリーズ1.20(以降?)のBIOSで、独自パラメータで60GBに壁を持つというものですが、32GBを超えるHDDをそれでフォーマットして繋ぐと、WindowsNT/2000では正しく認識できないので注意が必要です。また、マルチベンダパラメータが指定可能なBIOSでは、パラメータの最大値で指定される120GBまでは容量制限を受けないと考えられますが、32GBを超えるHDDに対しては独自パラメータでしか対応できませんので、やはりNT/2000上では正しく認識できなくなります。

 いずれの場合も、大容量HDDを想定していない古いBIOSでは、演算の途中で予期しないエラーで止まる可能性もあります。とりあえずここではそうしたハングアップは考慮しませんが、SCSI(BIOS)によっては該当するものもありそうですので、特に8GB壁以前のBIOSではご注意ください。

 また、認識容量を越えたHDDに対しては、上限まで使用可能なものと、HDD自体の存在を無視してしまう(Windows上では使える)ものがあるようですので、用途を考えるとその区別も大切です。

有名どころでのHDD容量制限は、私の把握する限り(大まかですが)以下のような感じです。

NEC/Adaptec

PCI版すべて?:  32GBまで(32GBを超えるHDDは無視される)

アイオー

SC-UPCI系(*1):  最新BIOSにて32GBまで(32GB超HDDは32GB扱い)、ただしマルチベンダ機能有り
SC-PCI/SC-98PCI:  最新BIOSにて8GBまで(8GB超HDDは8GB扱い)(*2)、ただしマルチベンダ機能有り

旧メルコ

IFC-NP/VNP:  AdaptecのOEMで、32GBまで(32GBを超えるHDDは無視される)
IFC-WSP(A):  8GB壁あり??(メーカーの対応表では大容量HDDに対応はしている)
IFC-UP:  8GB壁あり?
IFC-USP(1.03以下):  8GBまで(8GB超HDDは8GB扱い)(*2 *4 *5)
IFC-USP(1.04〜1.1x):  32GBまで(32GB超HDDは32GB扱い)(*4 *5)
IFC-USP(1.20以降):  60GBまで(60GB超HDDは60GB扱い)(*3 *4 *5)
IFC-DP(1.30以下):  たぶん8GBまで(たぶん8GB超HDDは8GB扱い)、BIOSアップ(有償)で、たぶん32GBまで(*5)
IFC-DP(1.40以降):  たぶん32GBまで(たぶん32GB超HDDは32GB扱い)、BIOSアップ(有償)あり(*5)

ロジテック

LHA-521シリーズ:  たぶん32GB対応、ただしマルチベンダ機能有り(ユーティリティディスクが必要)

initio

A100U2W(1.03D):  32GBまで(32GBを超えるHDDは無視される)

ユーザー様作製

CHANPON3用BIOS:  32GBまで(32GBを超えるHDDは無視される)

RATOC

REX-PCI32:  不明
REX-PCI30HX:  8GBまで

BIOSバージョンが判明していないものは釈然としませんね・・・。
このほか$ログから推察されるものも探せばまだあると思います。

(*1) SC-UPCIシリーズサポートソフトを使うSC-UPCI(B)/UWPCI(B)/UPCIN(B)/UPN/UPU2/U2PCI/U2PSが該当すると思われる
(*2) 8GB超HDDを8GBと見なすBIOSで8GB以上のHDDを(8GBとして)使うと、WindowsNT/2000上で領域を正しく認識できない
(*3) 60GB対応のBIOSで32GB超のHDDを使うと、WindowsNT/2000上で領域を正しく認識できない(ただし1.31以降では不明)
(*4) IFC-USP-Mシリーズ、IFC-USUP-TX(初代CHANPON)を含む
(*5) NT/2000の場合は対応BIOSverが異なる、またBIOSアップデートの詳細はBuffaloのサイトのQ&Aにあり

まとめ

 総じて、多くのPCI-SCSI(のBIOS)で32GB制限があるため、実質的には8GB制限のものをリストアップすればよいのではないかと思われます。一般に、BIOSが古いか、そういう時代だけ使われていたSCSIはこの制限に引っ掛かる可能性があります。しかし、今となっては古いBIOSのリストアップはなかなか困難ではないかと思われます。
 もっとも、AT互換フォーマットでデータドライブにする分には8/32GB制限は無いと思いますし、PCI版SCSIの話なら、むしろ9821用BIOSが存在するか否かのほうが重要かもしれません。起動ドライブの話だとしても、SCSIの種類よりどちらかといえばBIOSバージョンが重要です。もちろんアップデートされたBIOSの存在しないSCSIアダプタでは門前払いですが。

追伸: 差し障りがあるといけませんので個々の名前は控えますが、情報を寄せられました方々にお礼申し上げます。

マルチベンダ機能で容量拡張するときの注意


AT互換(FDISK)フォーマットを利用する




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