*** スリムCD+3.5インチベイ ***
↑Ra40に装着したところ。ちなみにCDはUIDEにつながっています。
PCカードスロットと組み合わせてみました。
スリムCDは突然に
このところ、ひとつの5インチベイにノート用のスリムCDドライブと、3.5インチデバイスを同時に装着するフレームが出回っています。創意工夫のジャンクパーツとしてたいへん魅力的なのですが(特にベイの少ない98とかで)、まだまだ値段が高いようで残念です。そもそもスリムCDと、デスクトップ用コネクタ変換だけでもまともに買えば相当な値になると思われます。
しかしながら今回、ジャンクでIDE-40ピン変換コネクタ付きスリムCDが、トレイが開かなくなる不具合付きジャンクで安く手に入り、修理を試みたところ、原因は単なるネジの締めすぎというラッキーなものでした。それも秋葉原で日曜の夕方まで売れ残っていたのだから、世の中分からないものです。
これを生かさない手はありません。そこで、市販のプラスチック製の3.5インチマウンタ(\10〜\500程度であちこちで売っている)を改造して、スリムCDドライブと、3.5インチデバイスを同時に装着するマウンタに代用してみました。
市販のプラ製マウンタを加工する
手順としては、3.5インチ穴を下方向にカッター鋸やヤスリで切り下げていき、上の開いたスペースをスリムCDのサイズにあわせて切り取ります。このとき、スリムCDの幅は128-130mmくらいですので、5インチベイよりも十分小さいです。3.5インチ穴の上方の開いたスペースを利用し、片側だけ切り取ればちょうど良さそうでしたので、スリムCDは写真のように端に寄せてみました。実際はそれでも横幅が足りなかったので、反対側も1-2mmくらい削っています。
ネジ穴の問題
しかしここで、外出し穴の都合はついても、固定法が大きな問題になります。なにしろ3.5インチベイは掘り下げているので、ネジ穴は合いません。スリムCDに至っては、ほとんどプラスチックのフレームと接点が無いような状態です。前者については、ちょうど元からネジ穴のずれているPCカードスロットをつけてみました。ネジ穴の位置によってはプラスチックを加工して対応できるケースもあるかもしれません。スリムCDについては、前面の穴と側面のプラスチックのフレームが接しているだけですが、2辺が固定されれば、とりあえずぐらつくことはありませんので、単純にガムテープで固定することにしました。これでも、5インチベイ装着時にぴったりフィットしていれば、実用上問題になることはありませんでした。3.5インチデバイスについても、うまくやればガムテープが使えるかもしれません。
写真の状態で1年近く使っていますが、特に不具合も無く、便利なものです。
なお、最近は最初から3.5インチ穴が下のほうについているマウンタもあるようなので、そうしたものを使えば3.5インチネジ穴に困ることは無いかもしれませんが、これは市販のスリムCD+3.5インチベイ同様、PC-98では固定できない欠点があります。詳しくはこちら
実際の作製
そこで、今回最初に紹介した、割と普通のプラ製マウンタを加工した、98でも使える自作のマウンタについて、もう少し詳しく紹介しようと思いました。スリムCDベイはガムテープ固定ですが、3.5インチベイには、ちょうどPC-9821XA-E01のようなPCカードスロットが固定できる位置に横のネジ穴が来ます。上の3.5インチ穴の偏ったマウンタと組み合わせ、ネジ穴を合わせたものを作るのも面白いかもしれません。
まず、もとの形をよく見てみます。3.5インチの穴が真中についたごく普通のものです。マウンタを止めるネジ穴は上下にありますから98でも問題ありません。プラスチック製で加工が容易そうです。
次に、写真の緑の線が切り取る場所です。3.5インチ穴は極力、ぎりぎりまで下に掘り下げる必要があります。そのため、下から止めるネジ穴も切り取ります。
また、マゼンタで示した線に沿って、出っ張った溝がついていますから、これをペンチなどでずらしてもぎ取れば、ぎりぎり一番下の位置まで3.5インチベイを掘り下げることができます。ここまで掘り下げなければ上にスリムCDは乗りません。
↑ ベースの溝までもぎ取った状態。
3.5インチデバイスが底面まで接するまでに下げられる。
切り取ったあとは、まず3.5インチデバイスを装着します。3.5インチベイはPCカードスロットのネジ穴が、ちょうど脇のネジ穴と合います。それ以外のデバイスを固定するには、3.5インチベイ脇のネジ穴も一緒に掘り下げるか、またはもっと下にネジ穴を開けなおせばよさそうです。しかし強度に不安が残るようなら、やはりガムテープを使うことになります。
スリムCDは3.5インチデバイスの上に載せるだけで、ネジ固定はできませんが、たまたま今回のマウンタでは、向かって右側の辺の上が、スリムCDの端がぴったり乗る高さでした。ここを合わせてぐらつかないように薄めのガムテープでスリムCDドライブを止めることができました。
ガムテープの厚みの分だけファイルベイに入れにくくなりますが、その他の加工場所と合わせ、ヤスリで微調整しながら形を整えていきます。うまくファイルベイに入ったらねじ止めして、この通り。
まぁでも、はじめから3.5インチ穴の掘り下がったマウンタのほうがはるかに作業が簡単なので(スリム穴を切り取るだけ)、それをファイルベイに合うようにネジ穴部分を加工することを考えたほうが楽かもしれませんね。
その場合は雌ネジの金属部品を外し、エポキシ樹脂などで埋めてからネジ穴を開けなおせば良いのでしょうか。ただしそうするとAT互換機に使えなくなるのが欠点ですが。
あるいは、金属の雌ネジ部品にある程度の厚みがあるのを利用し、プラ板など別の部品を内側から(外側にはみ出ないように)ネジ止めし、それを使って「上側のネジ穴」を新たに構築するという手もあるかもしれません。
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