*** 98最強のSIMM ***


〜〜〜PC-98で一枚あたり128MBのSIMMを使うときの重要な注意事項〜〜〜



 98で128MBのSIMMを使うには重要な注意事項があるのですが、Webページ上の情報ではあまり見かけないので、ここに追記したいと思います。

PC-98における大容量SIMMの諸問題

 98で128MBのSIMMを使うには、まず本体が最低限64MBのSIMMを認識できるような機種でなければ話になりません。PCIチップセットとして430HXや440FXが要求されます。さらに、これらの機種ではECCチェックが存在するため、その対策も必要です。現在ならまりもさん作のMEMSETUPで、2組目(以降)のSIMM限定でECCなしSIMMを認識できます(ただし対応機種には若干制限あり)。またRa20/N12などではITF(BIOS)に制限があり、1組目だけで256MBをカウントすると2組目のSIMMはカウントしません。メモリ容量を再設定できるMEMSETUPは必須です。さらにSC-UPCI系の新しいBIOS(1.62以降)では512MB〜あたりを使うため、128MBのSIMMを使うと512MB超え出来るRv/Rs等で問題が出ることがあります。このように本来は保証外の128MBのSIMMにはもともと問題が多いのですが、実はさらに如何ともしがたい問題があるのです。
 結論から言うと、128MBのSIMMは基本的にそれらの98では認識しても、機種によっては不安定である場合が多いのです。なお、64MBのSIMMではこの問題は無く安定なのだそうです。店頭で98向けの某製品を見ても、64MBx2の品については対応機種が明記されていますが、128MBx2の品には対応機種不明と書かれていました。どうも調べてみると、SLOT1のメインボード(G8YKK)を利用したRaII23以降Ra43までの新しい機種では特に128MBのSIMMが不安定なのです

PC-98には保証外の128MBのSIMM

 もともと98では保証外の128MBのSIMMはMAC用にニーズがあったため存在したのですが、98で64MB以上のSIMMが使えるPC型番機種ではECCを要求するため使用できませんでした。また高価でモノ自体も少なかったため、自作でECC部を追加したり、64MBのSIMMの空きパターンにRAMチップを移殖したり、ハードウエア改造でECC解除できるようなよほどのパワーユーザーしか使う機会が無かったのであまり表面化しなかったようなのですが、その後まりもさん作のソフトウエアで2組目以降のSIMMスロット限定でECC解除できるようになり、最近では128MBのSIMMの価格も2枚で\15000程度と一般ユーザにも手の届くものになりました。またECC付きのものも2枚で\20000程度でバーテックスから出ています(2003年8月現在品切れ中)。
 その結果、一番新しい98を目一杯まで拡張しようとする者が128MBのSIMMに手を出し、トラブルを起こすケースが後を絶たないのです(って、私のことですが)。対照的に、ソケット8を採用したRa20/18では安定だそうです。CPUからメモリまでの配線距離の違いの影響とか、いろいろ言われています。なおソケット370を採用している(ことになっている)Ra40/43は、RaII23〜333とメインボードが同じなので、やはり128MBのSIMMは不安定です。もともと保証外でもありますし、98用で128MBのSIMMが主なメーカーから発売を見送られた理由がその辺にありそうです。

バッファ付きSIMMが98を救う!?

 ではどうするかですが、ひとつは大人しく64MBのSIMMを使うこと、もう一つはバーテックスから出ているバッファ付きのECC-SIMMを使うことです。私は使ったことが無いのですが、安定性に定評があるため、PC-98の潜在的なメモリ認識をフルに生かすことが出来ると考えられます。ただその場合も、どのように使うのがより安定かを各所のBBSの過去ログなどで調べ、気をつけて使うとよいでしょう。
 もし既に128MBのバッファなしSIMMを持っている場合は、128MBのSIMMが安定とされるRa20などに買い換えるか(それはそれでPL-PRO/IIまわりで苦労することになるかもしれませんが)、少しでも安定に使えるように周辺機器などの条件を詰めていくしかないと思います。不安定な機種で、そこそこ安定に使える条件が見出せれば、安定な機種ではさらに安定して使える可能性もあります。RaII23〜Ra43以外の、一見動くとされている機種でも、実は長いこと使ってみたら若干不安定だったということはあるかもしれません。もっとも、本当に(狭義の)相性問題だとすれば、温度などの環境も影響していそうですし、コンデンサなどの部品で、通常は問題ならない程度の劣化が顕著に影響するかもしれません。

相性に立ち向かう

 ひと口に相性といっても、一番悪いのが128MBのSIMMとG8YKKの組み合わせなのだとすれば、他の周辺機器の有無や設定によって安定不安定が生じても、それらが悪かったというのは通じないことに注意してください。128MBのSIMMを使わなければ、ちゃんと動いていたのですから。したがって、あくまで参考に過ぎない個人的な経験になりますが、私の環境ではメモリに負担をかけると言われるUIDE系は怪しい気がしました(バースト転送やタグつきキューを無効にしたら割と安定したことがありましたので、HDDとの相互作用もあるかもしれません)。そのせいかどうかは定かではありませんが、各所のXv/Wあたりでの動作事例では、128MBのSIMMの使えた/使えないの意見が分かれるところです。Rv20では電源を強化したら安定した例もあるそうです。Windows2000よりもWindows95/98のほうが安定という話もありますが、後者のほうが高位のメモリに負担がかからないのだとすれば合点がいきます。ただ、ハードウエアの問題なので、重いアプリケーションを使えばやはり危ないのではないかと思います。
 私はRa40(PL-iP3/T vev2にてセレロン733に換装)を用いましたが、ほかにも、どうも1組目と2組目のSIMMの組み合わせによっても安定不安定が生じるようでした。1組目と2組目でのファーストページとEDOの混在も不安定要因になるので、EDO対応に統一したほうがよいと思います。私はメモリの負担を減らすため、標準の16MBx2を1組目に用いています。それで、ECCなしEDO128MBx2を、Windows2000で毎日12時間程度運用していますが、Webブラウザやワープロ程度の用途で、STOPエラーは1週間に1回程度、それらしいアプリ落ちは1日1回程度でした。Superπ3355万桁も通りました。ただしそれでも重いアプリは割とよく落ちましたので、安定とはいえないのですが、どうにか使えてはいます。
 今後も、自分の環境でより安定を目指すべく、工夫を模索するつもりです。それもまたPCの楽しみ方なのだと思います。


KAZZEZ

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