*** 同じ型番でも形の違うFDD ***
↑ NEC FD1148T PC-98用FDD
上の写真は、3台ともFD1148Tの型番を持つ、98用FDDです。しかし、微妙に違う事にお気づきでしょうか。まず一番上のドライブはA-MATE等で使用されていたもので、下の2つとは基板が異なり(G8PNZ)、フラットケーブルは26ピンです。また、電源端子がありません。余談ですが、PC-9801NSのFDDが壊れたときにこれで代用した事があります。NSに元々あったもの(1138?)とは違って3モードでしたが、とりあえずNS上では2モードとして使えているようでした。ベゼルやイジェクトボタンもぴったり交換可能でした。
次に、真ん中のFDDは、厚さなど全体の寸法は上のと同じですが、基板はG8QMFで、ふつうの34ピンで、Xa7/9/10以降で使用できるタイプです。また、イジェクトボタンも上のFDDとは異なり、物理的に互換性がないばかりか、交換すらできません。また4ピンの電源端子が見えます。
最後に一番下のFDDですが、これはXa7からとったものです。結論から言うと、厚さが異なるだけで真ん中のFDDと全く同じ物のようです。上の二つは約19mmですが、これは約25mmあります。そこで、P/N(パーツナンバー)の表記などを比べてみましたが、一番上のFDDは134-506326-011-0でDATEが1994.9だったのに対し、下の二つは同じで134-506326-901-0でDATEが1995.6でした。
P/Nすら同じというのは興味深いので並べてみましたが、どうも25mm厚のほうは単に19mm厚のドライブに金具が取り付けられて足上げされているだけということがわかりました。金具を取り外してしまえば約19mm厚に早変わりです。
実際にXa7以降の98に取り付けるときは、基本的に側面のネジで取り付けますので、底面の金具はあってもなくても良いはずですが、なぜあるのかはよく知りません。ただ、FDDベイに差し込むときネジの高さが合うので便利と言えばそうなのですが。なお2ndFDDとして取り付けるにはふつう専用の金具が要りますが、この足上げ金具さえあれば、側面のネジ取り付けだけでもどうにかなってしまうので、ジャンク98自作の上では結構便利だったりします。
それと、もうひとつこの足上げ金具で便利だったことがあります。じつはXa7から取ったときは、モーターの軸が折れていてFDDが動かなかったのです。しかし、裏からモーターの回転部を手で支えてやる事でどうにか動作していました。そこで、この金具に紙や木で支えを作って固定し、モーターに適度にあてがいながら常用しているというわけです。もちろん2ndとして専用金具無しで、です。普段捨ててしまうようなものでも復活できるとうれしいものです。
追記:
ところで、上記の25mm厚の1148T写真はそのときの改修後の姿ですが、最近また25mm厚の1148Tが手に入ったので改造前の姿を見ることができました。この足上げ金具は4個所のネジ穴があるのですが、少なくともこのFDDではどうも3個所でネジ止めされていたようです。一箇所は金具にネジを締めた跡すらついていませんでした。高さを合わせるだけの金具ですから、強度的にはそれでも問題ないものと思われます。
まぁとにかく、違いと類似点の把握は、98の保守や自作でとても有効な情報となるようです。なお、98用FDDについての詳しい資料はHAMLINさんが詳しく紹介されております。
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