*** NEC製のFDD変換ケーブル ***


↑NECの旧ロゴが見えるのでNEC純正のFDDケーブルと思われます。
アンフェノールフルピッチ50-36ピン変換ケーブルというユニークなものです。

何故こんなものが必要かというと、恐らくNEC製2HD/2DD切り替えドライブに、50ピンしかコネクタを持たないものがあったためではないかと予想します。実際、該当する50ピンのNEC製FDD製品(型番失念ですが、50ピンコネクタしかないのに2HD/2DD切り替えスイッチ付きのもの)で2DDインターフェースに接続して動作したと思いましたので。

もともとNECの外付けFDDは2DD(640KB)が36ピン、2HD(1MB)が50ピンでした。今でこそ本体の2HDインターフェースに2HD/2DD両対応FDDユニットを繋いで専用ドライバやベクターのr2dd.comでソフトウエア的に切り替えて2DDメディアを読み書きする製品が珍しくありませんでしたが、主にサードパーティの製品に限られます。NEC純正でもFELLOW以降ではそのようなものがあったかもしれませんが、それ以前のNEC純正品ではそのようなものは特に見られませんでした。

しかし前述の製品のように、2HD/2DD両用ドライブを利用して、スイッチで2HD/2DDを切りかえるタイプの外付けドライブユニットは存在しました。これはVM以降の両用FDD搭載本体に接続して2HD/2DDを切り替えるためではないらしく、接続するインターフェースがPC-9801-15(1MB-I/F、50ピン)や相当の本体か、PC-9801-09(640KB-I/F、36ピン)や相当の本体かによって切り替えるものだったと思われます(VM以降の外付けI/Fは1MBに相当)。したがって初期の2HD/2DD切り替え型FDDユニットはサードパーティでも36ピンコネクタと50ピンコネクタの両方を持つものが少なくなかったのですが、なぜか前述のNEC製FDDユニットには、50ピンI/Fしか無かったのです。

したがって、大雑把に2DD-I/Fは2HD-I/Fの下位互換のようなものと考えられ、その結線は2DDから2HDへの進化を考えるうえで興味深い資料と思われますので、テスターで導通を調べてみました。

信号	50P側	36P側	信号
WID	1		
MFM	2		
RDT	3	33	RDT
PRT	4	32	PRT
TK0	5	31	TK0
WGT	6	30	WGT
WDT	7	29	WDT
STP	8	28	STP
DIR	9	27	DIR
DS4	10	21	DS4
DS3	11	25	DS3
DS2	12	24	DS2
DS1	13	23	DS1
SYC	14		
RDY	15	35	RDY
IDX	16	22	IDX
HLD	17	20	HLD
NC	18		
SSL	19	34	SSL
NC	20	18	GND
TSD	21		
NC	22	26	MTR
FUS	23		
FLR	24		
LWC	25		
GND	26		
GND	27		
GND	28	14	GND
GND	29	13	GND
GND	30	12	GND
GND	31	11	GND
GND	32	10	GND
GND	33	9	GND
GND	34	8	GND
GND	35	2	GND
GND	36	6	GND
GND	37	5	GND
GND	38	4	GND
GND	39	16	GND
GND	40		
GND	41	3	GND
GND	42	1	GND
GND	43		
GND	44	15	GND
GND	45	17	GND
GND	46		
GND	47	7	GND
GND	48	
GND	49	
GND	50	
	フレーム	フレーム

信号名はPC-9801VXハードウエアマニュアルの、VXのFDD-I/FとPC-9801-09ボードのI/Fを参考にしています。太字は何故か信号名が合わない個所ですが、ドライブ側の2HDコネクタに2DDインターフェースを繋ぐ都合でしょうか? 肝心のドライブ側を調べていないので詳しいことは分かりませんが、ドライブ直結のサードパーティ製FDDユニット(元から36ピン/50ピン両装備タイプ)では使えなかったような気もします。



ちなみにコネクタ部分は「HONDA」でした。調べてみると本多通信工業というコネクタの会社があるそうですが、知らずに見ると一瞬「SONYのタイヤ」を思い出します・・・。(汗

追記

エマティさんのところでaochanさんからコメントをいただいております。この場を借りてお礼申し上げます。それによりますと、上記の型番失念の切り替えスイッチ付き50ピンFDDユニットは、たとえばPC-FD512Rのようなものが該当しそうです。このFDDユニットは20/22番ピンは未結線ですが、ランドは用意されているそうです。20番はDensityへ、22番は74LS244の2番ピンを経てMOTORONへ接続出来るようになっていますが、そうはなっていないのでPC-FD512Rは単体でモーターの自動停止を行う仕様のようです。またFD1137DなどはDensityピンがZまたはHで2HD、Lで2DDだったと記憶しているとのことです。2DD/2HDの切り替えにはそのあたりも場合によって関係するようです。
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