*** 3.5インチFDの修理 ***

捨て不精な私としてはフロッピーディスク(FD)はたくさん持っていますが、何かしらデータが入ったままでは自由に使えなかったりします。中身を整理してようやくFD1枚分をあけたと思ったら、整理中に見付かったエラーでFD1枚だめになったので元の木阿弥・・・なんてことも。実のところ単にデータを移すだけのFDならスキップセクタがあっても気にしないのですが、管理領域(トラック0)にダメージがあるとデータ領域が無事でも「このFDは使えません」となってフォーマットできなくなるんですよね・・・。orz


磁性面にくっきりキズの付いたFD。
トラック0がやられるとFD全体が使用不可能になる。

そんなわけで管理領域のいかれたFDをどうにかしてスキップセクタ憑きFDとして再生できないものかと考えてみました。といっても思いつくことやできそうなことなど限られています。やはり磁性体の部分を裏返して使うくらいしかないでしょう。たしかトラック0はサーフェース0にあったと思いますので。


FD背表紙のシールをはがしたところ。
ここからならFDを分解しやすい。。

3.5インチFDのラベルシールをめくると背表紙部分は固定されておらず、表裏の裂け目に細いものを突っ込めば分かれるような構造になっています。特にライトプロテクトスイッチとは反対側の1辺が裂けやすくなっているようです。


割いたFDを横から見たところ(背表紙が右側)。
プロテクトスイッチのない側の一辺が比較的割けやすかった。

これで4辺のうち2辺が開きますので、中の磁性体を手で触れないように注意して取り出します。


取り出した磁性面。手で触れないよう注意。
表は傷が目立つが、裏はきれい。

磁性体と金属部分が両面テープでくっついていますので、裏返すにはこれを引き離さなければなりません。プラスチックのヨウジなど先の細いもので少しずつ引き剥がします。もちろん手を触れないように注意します。ビニール手袋とか使うと良いのかもしれません。


磁性体と金属をはがしたところ。

引き剥がしたら磁性体を裏返して再固定します。金属側に両面テープが多少残っていればそれを利用すれば良いのですが、いかんせんテープの粘着力は金属よりも磁性体側のほうが強いようで、金属側には全く残っていないことがあります。その場合は別途両面テープを用意することになりますが、FDとFDDは精密機器ですから両面テープの厚みが不具合の原因となりかねません。ですので極力薄い粘着剤を探すべきでしょう。


磁性体を裏返して金属と再固定。
キズの面と金属部品の裏表が最初とは逆であることに注意。
また中心を正確に合わせる必要がありそう。

再固定する場所も注意が必要です。元通りリングの中心が合うように正確な場所に固定しなくてはなりません。2DDとしてフォーマットしたFDが2HDとしてフォーマットし直してもうまく使えない(逆も同じ)ように、記録箇所が少しずれただけでもうまくフォーマットできなくなることがあるからです。

固定したらFDの中に戻すわけですが、その前にFDの中をチェックです。磁性体に傷が付いているのであればその原因となるゴミや出っ張りがあるはずです。それをまず取り除かねばなりません。

FDの中に磁性体を戻したらラベルシールを元通り貼りなおします。これで裂けた部分を修復するという意味合いがあります。


FDの中に入れ直したところ。
キズの面が最初とは裏表逆であることに注意。

これで修理したFDが使えるかどうかは天のみぞ知るといったところでしょうか。傷が裏面近くまで達していれば磁性体を裏返しても無意味ですので。私はこれまでのところ1勝1敗です。


修理後のFD(これはうまく動かなかったもの)。
背景か白いのでよく見ると裏のキズが透けて見えている。
キズが深かったのかもしれない。

まぁ、FDなんて\100ショップで2〜3枚入りのものが買える時代ですので役に立つかどうかは分かりませんが・・・。自分で直したジャンクほど愛着が沸いて使いたくなるというものです。

KAZZEZ

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